もし、日本という国がなかったら [活字中毒のトモ]
メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の管理人、北野 幸伯さんが、
1/25 付けのメルマガ で「名著だから、是非読んで」と紹介されていた本です。
本書を読むまで、著者のロジャー・パルバースさんを私は全く知りませんでしたが
演劇や演出の方面で活躍されている芸術肌の人のようです。
そして、大学で教授もされてらっしゃるのですね。多才な方です。
スプートニクを見て以来、ロシアに憧れてロシア語を学び
ポーランドに留学までしたアメリカ人パルバースさんは、
そこでスパイ疑惑にかけられ、失意のうちに帰国します。
そんな彼に届いたのは、ベトナム戦争への徴兵のお知らせ。
徴兵から逃れるため、彼は国外脱出を決意したのでした。
そして向かった先が、何も知らない国、日本。
ですがそこで彼は、たくさんの人に助けられながら何十年も暮らし
日本の文化に溶け込んでいったのでした。
そうしてお書きになられたのが本書というわけですが
例えば、私が沖縄にこれから数十年住んだとして
「もし、沖縄という島がなかったら」みたいなタイトルで本を出すかというと
そんなおこがましいことないだろうと思うので、ちょっぴり不思議な気持ちで読みました。
これは外国人から見た日本論?・・・というには日本のことをとても良くご存知で
日本を愛されているのが伝わってくるのですが、だったらなぜわざわざ
日本人でもない彼が「日本ってこんなにいいところがあるんだから、頑張ってよ」
みたいなメッセージを伝えたいのかが良くわかりませんでした。
そんなこと、言われなくても、日本人はたぶん分かっているんじゃないかなあ。
まあ、一応日本人である私も、きっぱりと断定はできないわけですが。
昨年の大震災の際に、非常時の日本人の礼儀正しさが海外で話題になったというニュースを
Web でたくさん見かけましたが
みんな本当にそんなことを話題にしていたのかどうか分からないというか
もし本当に話題になっていたとしても
「人が金庫で大切に保管しているお金を盗まなくて偉いね」とか
もっと言えば「毎日朝独りで起きて偉いね」レベルの
何言ってんの、あたりまえじゃん?ということを「良いこと」として話題にされているのが
アホらしいと思ったのですが、
本書を読んで、それに近い感覚がありました。
日本に長く暮らした外国のおじさんのエッセイだと思って、軽く読むのがお奨めです。
世界にひとつしかない「黄金の人生設計」 [活字中毒のトモ]
一月くらい前に、沖縄タイムスの週刊情報紙「ほーむぷらざ」でこの本が紹介されていました。
紹介されているのがファイナンシャル・プランナーの方で
「初版から 10 年以上経っても色あせない情報が満載」みたいなことが書かれていたので
どのような内容なのか気になって購入しました。
「持ち家と賃貸はどっちが得?」
「生命保険の仕組み」
「年金と医療保険について」
など、今となっては割と多くの人が知っているであろう情報が掲載されていました。
そして、最後まで読んでいくと、
日本を見限って PT(Perpetual Traveler: 永遠の旅行者)になって
海外に複数の住居を持ち、ごくたまに日本に帰ってきて
上手に節税しようよ、とかいう悪知恵が掲載されていました。
そしてこれからの世の中は年金とかアテにならないんだから
国に頼ればなんとかしてくれるだろう、という甘い考えは捨てて
ひとりひとりが経済的に自立した方がいい、と書かれているのですが
じゃあどうしたら?どうやって自立して稼げばいいの?という問いに対する答えは
そんなこと、私たちにはわかりません(知っていれば、とっくにお金持ちになっています)
・・・。
読めば読むほど不快になっていきました。
一体どこまで、人を馬鹿にすれば気が済むんでしょうか、この人。
この本を新聞社の情報紙で紹介したファイナンシャル・プランナーにも失望しました。
金融のプロの肩書きを持っているくせに、こんな本紹介しないでいただきたい。
ファイナンシャル・プランナーが全員この程度なら
私は生涯、自分の資産運用について彼らに相談しませんよ。
・・・あ、そういえば、我が父はファイナンシャル・プランナーでしたっけ。
でも父に資産運用の相談なんて、別の意味で、ないですね。
聞かなくても、回答は分かるからです。
提案される運用手法が手堅いのが分かりきっていますし、
海外での暮らしを推奨することもないはずです。
このように考えていくと、資産を「運用する」というのは
よほどの物好きでない限り、ものすごくストレスのかかることだと思いました。
だから、プロに任せてしまえば楽でいいんでしょうけれど、
今は他人に任せたら、どうなるか分からないので、
やっぱりストレス貯めながら自分で勉強するしかないのでしょうね。
・・・あ、その前に運用する資産を貯めないと。
アメリカの次の覇権国はどこか? [活字中毒のトモ]
名城大学都市情報学部の教授、木下 栄蔵先生の著書。
ナゼこの本を買おうと思ったのか、今となっては謎なのですが
Amazon のカスタマーレビューを見ると、かなりな高評価です。
こういう時事ネタを題材にした本は、
買ってしまったならすぐに読んでおかないと、本棚で腐ってしまうので
(事実、腐った本がウチにはいっぱいあります)
届いてすぐに読んでみました。
・・・が、結論から言うと、微妙。
資本主義経済には、「通常経済」と「恐慌経済」の 2 つのサイクルがあり、
それぞれの特徴はお互い相反するものである。
だから、正しい時期に正しい経済政策を採らないと
一般的に良いと思われる政策でも、全く効果はない。
また、歴代の覇権国家を考察すると、覇権国家になれる 5 つの条件があることが分かった。
それは
1. 健全な通常経済のサイクルにあること
2. 過去にバブルの発生と崩壊を経験していること
3. 変革の経済を実行できること
4. 債権国であること
5. 民主主義国家であること
である。
そして現在、GDP の高いアメリカ、中国、日本、ドイツ、フランスを比較すると
次の覇権国家になれそうな、一番良いポジションをとらえているのは実は日本である
という結論が導き出されるのだそうです。
・・・。
国家としてのライフサイクルでは、明らかに下り坂にある日本が
本当に次の覇権国家になれるかどうかはなはだ怪しいところですし
そもそも覇権国家になって何の良いことがあるのか全く分からないので
この先生の理論は覆されることを祈っております。
ですが、TPP に加盟すれば、
加盟国の経済はみんな一緒にガタガタになるだけという意見には賛成ですし
世界のお金の流れはどんな要素で決まっているのかとか、
バブル崩壊で消えたお金がどこへ行ったのかとか
そういう疑問には分かりやすい解説で答えていただけていると思います。
全部で 189 ページしかないですし、図もたくさん掲載されていますから
あっという間に読めます。
意外と、経済のことに興味を持ち始めた中高生にお奨めかも。
あと、巻頭で三橋 貴明さんがこの本をお奨めしているので、
彼の本が好きな方だったら、読むとまた違った感想になるのかもしれません。
謎解きはディナーのあとで 2 [活字中毒のトモ]
娘が読み終わってから貸してくれました。
彼女は某アイドルグループのファンであることから、去年この本が原作のドラマを見て
すっかりこの作品が気に入った様子。
自分のおこづかいで 2 巻も買っていました。
文芸誌「きらら」に掲載されていた 5 話プラス書下ろし 1 話の、計 6 話が掲載されています。
今回も、麗子お嬢様がお嬢様らしからぬ言動とともに、執事の影山に事件を解決させてゆきます。
それにしてもお嬢様、執事に事件の内容をペラペラと話して大丈夫なのかしら?
そのうちクビになったりしないといいけど・・・と余計な心配をしてしまいます。
今回は、商売っ気溢れる帽子屋さんにも、事件について話していますし。
こんな刑事、ありえないです。やっぱり。
本書を読むまでは、ドラマを見て
「もともとチャラい話だとは思っていたけれど、ドラマになってさらにチャラさがアップしたような・・・」
と感じていましたが、2 を読んで感想が変わりました。
あのドラマ、意外と原作に忠実に書かれています。
原作の 2 巻が 1 巻に輪をかけて、チャラくなっていたのでした。
こんな下品で軽率なお嬢様、本当にいたらびっくりだわ。
軽い感じで読める本ではあるので、どなたにもお勧めです。
推理小説なので、人は殺されますが、グロテスクな描写はほとんどありません。
文章も分かりやすく、引き込まれます。
こんなにチャラい文章なのに、つい夢中になってしまって、
通勤途中であやうくモノレールから降りるのを忘れかけるほどでした。
本を読んでいて、他のことに神経を使わないなんて、ここ数年なかったことです。
それだけ、物語の世界に引き込む力が強い文章でした。
最近の小説って、みんなこんな感じなのでしょうか。
ここまでくだけた文章で書かないと、誰も読まないし、売れないってことかも・・・。
個人的には、最後に掲載されていた書下ろしの「完全な密室などございません」が好きです。
殺された画家の奥さんが変な人すぎて
モノレールの中であやうく噴出しそうになりました。
ちなみに、前作の「謎解きはディナーのあとで」については、こちら をご覧ください。
2022―これから10年、活躍できる人の条件 [活字中毒のトモ]
神田さんがまだ「実践会」を主催していた頃、
仕事で彼のセミナーに参加したことがあります。
物事を色々な側面から見ることができる、話の面白いおじさんだな、と思いました。
今から 10 年以上前のことです。
その後、私は沖縄へ移り住み、お金に重きを置かない生活をしていましたので
経営コンサルタントである彼の本とはあまり接点がありませんでした。
Amazon のお奨め本の中に、彼の著書が入ることはありませんでした。
接点があったのなんて、知人が「なぜ春はこない?」を貸してくれたときくらいかも。
ですが、久しぶりに、Amazon で本を検索していてこの本にたどり着きました。
しかもタイトルが「これから 10 年、活躍できる人の条件」
なにやら面白そうだったので、つい「ショッピングカートに入れる」をクリックしてしまいました。
うーむ。負けた。(なにに?)
本書を読んだところ、どうやら神田さんはガンの類に罹られて
しばらく仕事をお休みされていたようです。
ですがこうして、見事に復帰され、本を書いておられます。
ご自分の病気すら、仕事の糧にしてしまう。さすが天才マーケッターですね。
「なぜ春はこない?」で書かれていたのと似たようなサイクル論を使って
世界が、アメリカが、日本が現在、ライフサイクルのどの地点にいるのかを検証し
これからの世界がどのように変化していくのかを推理しています。
それによると、あと 3 年くらいで新しい歴史サイクルが始まり
明治維新、太平洋戦争終戦に匹敵するほどの、社会体制の刷新が起こるそうです。
そのような未来に向かって、一人ひとりができることを着実にやって行こうじゃないか
そうしないと、明治維新に乗り遅れて表舞台から消えていった人と同じ道を歩むことになってしまう。
そうならないために、普通に会社勤めをして実行できるようなことではなく
会社を越えた場所で、自分の思いを「エクス・フォーメーション」して他の人と分かち合い
そこから何かを生み出していきませんか?というようなことが書かれています。
そして神田さんは、実に具体的に、これからの未来を予測しておられます。
2012 年には、「効率」「情報」の時代が終焉し、「共感」「つながり」の時代へ本格シフトし
なんと 2024 年には、会社という形態がもはや意味を成さなくなってしまう、
と書いてあります。
もっと具体的に色々書いてありますので、興味をもたれた方は是非、本書を実際に読んでみてください。
この未来予想だけ書いてあったのなら、どこぞのトンデモ本とあまり変わりはないのですが
私が一番驚いたのは、iPhone がこれからどのような販売路線をたどるかの説明で
あまりに「ありそうな」ことだったので、とても印象に残りました。
商品が多色展開されるのって、もう商品としては成熟期に入って
それ以上性能の向上が期待できないようなときだったんですね。
こういうこと、全く知らずに商品を見ていたので、興味深かったです。
iPhone の行く末があまりにリアルに想像できて、びっくりしました。
マーケッターって、こういうこと、分かっているのですね。やっぱりプロって違う。
実に論理的に、商品の成長期と成熟期、衰退期について書かれていたので
こういう視点で物事を見ておられるのなら、
未来予想もトンデモとは違うのではないかと思いました。
神田さんの予測しておられる未来が本当にやってくるかどうか、見守るのが楽しくなりました。
さしあたって、通常通りこのブログで「エクス・フォーメーション」しながら
時代の移り変わりを見ていきたいと思います。
まー、次の時代でも私が主役になるなんてコトはないと思いますけど。
シルク大国インドに継承された日本の養蚕の技 [活字中毒のトモ]
JICA 研究所参事役でいられる、山田 浩司さんの著書。
日本の養蚕技術をインドへ伝えるプロジェクト(しかも期間が相当に長い)の経緯が
細やかにつづられています。
細やかなのですが、どこぞの教授が書くような、
専門技術を思いつくままに説明する一方的な本ではなく
どこかのセミナーに出かけてスライドで資料を見たような気になる本です。
とにかく、分かりやすいです。
文章も分かりやすいし、図や写真の入れ具合も絶妙。
養蚕なんて、普段なんの関わりもない私でも、きちんと話についていけるようになっていて
蚕のライフサイクルやインドの国内事情などが説明された文章が、
私の頭に疑問詞が浮かぶのと同じタイミングで出てきました。
これはすごい。
私が蚕を見たのなんて、娘が保育園で育てていた頃以外ありません。
それも、新緑の季節に限定されていた記憶があるので
蚕が一年のうちに何度も飼育できるという事実から、まず驚きでした。
そして一番共感を覚えたのが、養蚕技術を伝えるためにインドに渡ったスタッフの
並々ならぬ努力でした。
ちょうど、自分の勤める会社でも、中国への業務移管が進んでいる最中で
同じ人間なのだから、基本は同じとは思っていても
相当なストレスをためながら仕事を進めていましたので
「技術移転や技術指導は、いわば文化と文化の衝突である」と書かれているのを見て
本当にその通りというか、ましてや 16 年にも渡る長いプロジェクトですから
その間に、本書では書きつくせない相当のご苦労があったに違いないと思ったのでした。
やっぱり、海外の人と仕事をするときは、
お互いが分かり合うために多大な労力を割かなくてはいけなくなるので
どうしても実作業分の時間が少なくなります。
私の仕事でも、業務移管のスピードをもっと遅くするとか、移管する仕事をもっと簡略化するとか
そういうところから計画を練り直した方がいいんじゃないの・・・?と
本を読んでいても、ついつい仕事のことが脳裏に浮かんでしまいました。
蚕とはあまり関係ない部分で共感を覚えて熱くなってしまいましたが
とにかく分かりやすい本なので、蚕初心者におススメです。
私が半農生活に入れたら、庭に桑の木を植えて、この本片手に蚕を育ててみようかしら・・・。
減速して生きる [活字中毒のトモ]
現在の仕事に就いたのは、
この会社の人事の方から「定時で帰れますよ」という甘い言葉が載った
求人広告をいただいたからなのですが
気がつけば、残業時間が毎日 1 時間を超え
「こんなはずじゃなかったのに」という声が頭の中でこだまする毎日です。
そんな中本書を読むと、とても新鮮でした。
著者は、池袋で「たまにはTSUKIでも眺めましょ」という居酒屋を経営する、高坂 勝さんです。
彼は、大手企業に勤めていましたが、
給料をいろいろな物に変え、部屋が物で溢れていく生活に疲れ、退職を決意します。
そして住み慣れた場所を離れて知人を頼り、料理の修行をして
現在経営している居酒屋を開店させたのです。
たった 6.6 坪のお店で、駅から離れた場所にあり、店の宣伝もほとんどしない。
それでも店主の年収は 350 万円ほどで、十分に生活していけるといいます。
そして、店の営業していないときには、自分の好きなことをして過ごせるので
とても幸せだと書いてありました。
う、うらやましい。。。
私が自営業で年収 350 万円も稼げるかどうか分かりませんが
「半農半 X」(X のところには、個人に合わせて色々な仕事が入ります)の生き方、
してみたいと思いました。
これからは、お金を稼ぐのがますます難しくなりそうですが
稼げなくなる分、食べ物を自分で作ることができれば、なんとかなりそうです。
それに、半農生活をしていれば、年をとっても年金をもらえなくても、大丈夫かも?
そのためには、どこか畑ができる土地を探さないとね・・・。
今住んでいる場所は、とても気に入っているのですが
住宅地で、土地も結構高いので、畑なんて夢のまた夢・・・。
那覇市がダーチャを提供してくれる、とかないかしら(甘い)
お金儲けだけと経済成長だけを目指して突っ走らなくても
減速して生きても大丈夫だよ、楽になれるよ、というのが本書の主旨です。
言われてみればその通りですし、減速生活とっても憧れます。
あとは実践あるのみですので、自分の生活をダウンシフトさせていこうと思います。
まずは家に溜め込んでいる、使わないものを処分するところからかな・・・。
(これは断捨離の方なのかしら?)
Amazon で本書のレビューを見ると、
「結局は自分の店の宣伝じゃないか」とか「鼻につく」とかいう意見も多いですが
こういう生き方を本にして示すというのは、やっぱり誰にでもできることではないですし
その内容をどういうふうに自分に活かすのかは、読んだ人が決めることですから、
いいのではないかな・・・。
何かを変えてみたいと思っている、独身の方におススメです。
何故独身かというと、そうでなければ、
会社を潔く辞めて世界各地を放浪する旅に出るという作者の生き方に共感しにくいからです。
この方の旅は、放浪と言っても「自分探しの旅」などではなく
きちんと目的を持って旅に出ておられます。
なんとなくでも目的を持つのって、大事なようです。
タグ:減速して生きる
あなたの身近な「困った人たち」の精神分析 [活字中毒のトモ]
今は亡き、精神科医の小此木 啓吾先生の著書です。
不思議なタイトルに惹かれて購入しましたが、
これはなんと「パーソナリティ障害」について書かれた本でした。
本書が単行本で出版されたのは 1995 年です。
パーソナリティ障害って、今でこそ割と知られた、
というか私のような一般人でもその意味をなんとなく知っているような時代になりましたが
今から 10 数年前というと、まだまだその認知度は低かったのではないでしょうか。
回避心理とかシソイド人格障害とか、自己愛パーソナリティなど難しい名前のついた性格を
マリリン・モンローやスカーレット・オハラなど、私たちの良く知っている人物を例として登場させ
分かりやすく解説してくださっています。
スカーレット・オハラって、自己愛の塊のような人だったのですね。
なのに何故、今なお読者にあんなに愛されているのか謎です。
今度久しぶりに「風とともに去りぬ」を読んでみようかしら。
また、架空の人物の例でも「いるいる、こんな人」と思わせるような
いかにも「身近な人」(パワハラ上司とか、モラハラ夫にびくびくしながら暮らす妻とか)が出てきて
人を災難に巻き込んだり、あるいは巻き込まれたりしていきます。
例えが分かりやすいので、心理学の本を読んでいるというよりは
お昼のドラマを見ているような気になりました。
そして、プロの精神科医ですら
「このような困った人とは、一定の範囲内で付き合うのはかまわないが
その範囲を超えて深入りすのは避けたほうがいい」
と言っています。そりゃそうですよね。
私だって、攻撃的な人と友だちになりたいと思わないし、自己愛の塊のような人から
こちらの都合を考えずに電撃訪問や深夜の電話をされるのはごめんです。
そういう人と係わり合いになるくらいなら、人付き合いを避けて引きこもっていた方が
よっぽどマシかも。
内容が重たい、専門的な本にもかかわらず、
通勤途中にも読める感じの分かりやすい文章です。
パーソナリティ障害に興味のある人は、入門書に良いと思います。
仕事は楽しいかね?2 [活字中毒のトモ]
「仕事は楽しいかね?」が意外と面白かったので、2 巻も購入しました。
さて、マックスは今回どんなことをテーマに語ってくれるのか・・・と思っていたら
上司と部下についてでした。
主人公は、そこそこ仕事が出来、給料も良いサラリーマンだったのですが
オヘア空港で出会った老人マックスの教えを実行し、会社内で重要なポジションを獲得します。
ですがそれゆえに、今度は別の悩みに直面することになりました。
望む以上に出世してしまったために、人の管理に大幅な時間を割かれることになってしまったのです。
その状況に納得がいかない主人公は、再びマックスに会い、教えを請うことにしたのでした。
主人公は最初、会社を辞めてまでも、自分の時間を取り戻したいと思っていました。
ですが、マックスが授けた解決策は、辞職ではなく
仕事上での人との結びつきを強化することでした。
仕事で係わり合いのある上司や部下と、どうしたら良好な関係が築けるか、
また一緒に仕事をしたいと思わせるような、魅力的な上司や部下に出会うためにはどうしたらいいか
そういったことをメインにして、楽しく発展的な仕事をする方法を伝授していきます。
仕事そのものの改善法というよりは、改善されて良くなった自分の仕事を
誰かに見てもらって、評価を得て
望んでいる別の仕事や良い上司・同僚と仕事が出来るような環境に移っていくノウハウ
見たいなことが書かれています。
今まで自分の仕事を質を上げようと考えたことはあっても
それを上司や同僚にアピールしようとは考えたことがなかった、というか
良い仕事をしていれば、自然と評価はついてくるものではないかという
楽観的な気持ちしか持ったことがなかったので、目からウロコでした。
仕事は、自分でアピールしないといけないんですね。難しい・・・。
一緒に仕事をしたいと思えるような人に出会えたら、積極的に自分からハンティングに行く
という手法が、本書に書かれているほどまでに役に立つのかどうか
今からでも試してみようと思います。
会社をクビになる前に、いい転職先が見つかるかしら。
仕事というものを、ちょっと違った側面から見ることができて、今回も面白かったです。
あとは実践のみですので、少しずつ試していこうと思います。
タグ:仕事は楽しいかね?2
私の嫌いな10の人びと [活字中毒のトモ]
元電通大教授の中島 義道先生の著書です。
自分が嫌いだと思う人のパターンを 10 通りあげて、
どうしてそういう人が嫌いなのかを延々と書き連ねています。
その嫌いな人というのは、次のような人だそうです。
・笑顔の絶えない人
・常に感謝の気持ちを忘れない人
・みんなの喜ぶ顔が見たい人
・いつも前向きに生きている人
・自分の仕事に「誇り」を持っている人
・「けじめ」を大切にする人
・喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
・物事をはっきり言わない人
・「おれ、バカだから」と言う人
・「わが人生に悔いはない」と思っている人
最初読んだときに「何やら面倒くさいこと言うとるオッサンやなぁ」と思って
すぐに読むのを断念していたのですが
新しい本が届くまでの間に本棚から発掘されたので、再び読み始めました。
最初に読んでいたときにしおり代わりにはさんでいた、
某店のスタンプカードの有効期限が 2009 年 12 月でしたから
かれこれ 2 年くらい放置していたことになります。
中島先生の挙げた「嫌いな人」は世間では「いい人」と呼ばれることが多いですが
こういう人たちって、本当に「いい人」なのか?
ちょっと目線を変えれば「うっとうしい人」じゃないか。
そういう意見が辛らつな文章でつづられています。
昔読んだときは、1 冊の中にもいろいろと矛盾があるような気がして
なんでこうも、人が読んで不快になるような意見を、
お金を出して本を買った人に対してわめき散らしているのだろう?
不快になるなら買わなければいい、ということなのかしら
随分とご自分の才能に自信をお持ちの先生だな・・・と思ったのですが
義母と短期間同居をした間に
「元気なうちに沖縄に移住して、仕事で忙しいうしこちゃんの代わりにご飯を作ってあげたい」
を連呼されたときに、心の中で
「そんなこと頼んでないんだけどなぁ。
ていうか、自分が食べたいものは自分で作りたいから
食べたいものと違う献立が毎日並ぶのはかなり苦痛なんですが」
と思ったことがあって、確かに、人が喜ぶ顔が見たいと思えば何をやってもいいという訳ではない
というか、そういう思い込みからくる行動には、ありがた迷惑なものも多い
というのを実感しまして、
この先生の吼えるようにまくし立てられた文章も、あながち間違ってはいないのだと
思い至りました。
本を放置している間に、私の心はかなりすさんでしまったようです。
本書には、彼の講演を聴講した学生数名が、精神に変調をきたしたと書いてあります。
おそらく、その変調をきたした人は、中島先生のいう「私の嫌いな人」であり
価値観が足元から崩れるのに耐えられなかったのでしょうね。
きっと、彼の講演を聴かなければ、表の世界で人気者としてやっていけたのだと思います。
気の毒に。
彼の講演を聴いたことはありませんが、その講演と似たような(と思われる)辛らつな言葉が並んでいますので
調子良く人生を歩んでおられる方は、本書を読まないほうが幸せなままでいられると思います。
逆に「ちょっと疲れたな」と思っている人にはおススメかも。
自分が何に疲れているのか・・・ひょっとしたら自分は「いい人」を演じていて
それを止めてしまえば疲れも取れるのかも?と悩んでいる人には
良い本だと思います。
タグ:私の嫌いな10の人びと 中島 義道


















