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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 [活字中毒のトモ]


父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

  • 作者: ヤニス・バルファキス
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


沖縄タイムスの書評コーナーで紹介されていた本です。

関 美和さんの翻訳はとても分かりやすく、まるで原書であるかのように読めましたが
そもそも私は作者のヤニス・バルファキスさんを知りませんでした。
つい 4 年前に、ギリシャの財務大臣を務めていらっしゃったというのに。

「娘に語る」ように、簡単な言葉で、経済をできるだけたくさんの人たちに
理解してもらおうという企画の本です。
一方でバルファキスさんには、実際に 10 代の娘さんがいらっしゃって
ギリシャとオーストラリアで離ればなれに暮らしていることから
これまで時間がなくて話せなかったことを娘に話すようなつもりで書いた
ともおっしゃられています。
遠く離れて暮らす娘さんは、この本を読んでどんな感想を持ったでしょうか。

この本は全部で 8 つの章プラス、プロローグ & エピローグで構成されています。
通貨の意味や、ヨーロッパで市場経済が発展した理由から考え始め
市場社会の実態や労働力とマネーの関係を解き明かし
近い将来の経済の行き先を予言しています。

この先人々はますます富を集中させようとして
大量生産できる機械を一番早く開発しようと躍起になるだろうというのが
バルファキスさんの予想です。
大量生産できる機械は、なにも昔ながらの機械とは限らず
大量のデータを処理する AI もそのうちに含まれていて
AI がそのうち人間の想像力や、イノベーションを起こして機械や物を設計する能力を
模倣できるようになるかどうかによって、未来の見方が変わると言っています。

自動化が猛スピードで進めば、事業が成り立たないほどに価格が下がるそうです。
そうならないために、機械を賢く使って、機械の労働がすべての人に
恩恵をもたらすような社会にするのが、バルファキスさんの希望です。
それはどのような社会かと言いますと、企業が所有する機械の一部を
全ての人で共有し、その恩恵も共有するというものです。
究極なところでは、地球を丸ごと誰かが買ってしまえばいいのに、と。
あるいは、地球を丸ごと民主化してしまえばいいと。
本当に極論ですが、言いたいことは分かりました。

エピローグでバルファキスさんは、娘さんに熱く語っています。
市場社会は欲を満たすためのシステムなのに、
どうやらそれは上手く機能していないようだ
今の経済は、人間の欲する目標を手に入れるのに適していないどころか
そもそも手の届かない目標を設定したシステムである
一歩か二歩下がって、外側からその世界を見てみると
どれほどそれが不完全でばかばかしいか分かる、と。
バルファキスさんは「資本主義を終わらせる」予感を煽って
現実のものにしようとしているのでしょうか?



父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: Kindle版



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